
介護保険を使った手すりの取り付けについて|相談方法から設置まで
高齢の方や、介護が必要なご家族がいる方にとって、自宅の安全性向上はとても重要な課題ですよね。
特に、転倒や転落のリスクを減らすためには、手すりの設置が効果的です。
この記事では、介護保険を利用して手すりを取り付ける方法やメリット、費用、手順などについて「訪問看護ゆう」が詳しくご説明します。
1.介護保険で手すりを取り付けるメリット
介護保険を使って手すりを設置するには、様々なメリットがあります。
手すりは、高齢者の方や介護が必要な方の生活をサポートし、安全で快適な暮らしを実現する重要なアイテムです。
1-1.費用面でのメリット
介護保険を利用することで、手すり設置にかかる費用を抑えることができます。
介護保険は、40歳以上の方が加入する公的な保険制度で、介護サービスを受ける際に利用できます。
手すりの設置は、この介護保険の対象となる「住宅改修」に該当し、一定の条件を満たせば、費用の一部を保険から支給してもらうことが可能です。
1-2.安全面でのメリット
手すりは、転倒や転落のリスクを軽減し、安全な生活をサポートします。
特に、高齢の方や身体機能が低下している方は、バランスを崩しやすく、ちょっとした段差や階段でも転倒の危険性があります。
手すりを設置することで、身体を支えることができ、転倒防止に大きく貢献します。
また、手すりは、立ち上がる際や歩行時の支えにもなり、介護者の負担も軽減されます。
1-3.専門家のサポート体制
手すりの設置には、専門的な知識や技術が必要です。
介護保険を利用することで、ケアマネージャーや介護保険の専門家、工事業者のサポートを受けることができます。
ケアマネージャーは、利用者の状況に合ったケアプランを作成し、手すり設置の相談に乗ってくれます。
また、工事業者の紹介や、工事の進捗管理なども行い、安心して工事を進めることができるでしょう。
2.手すり設置の費用と補助
手すり設置には、費用がかかりますが、介護保険や補助金制度を利用することで、経済的な負担を軽減できます。
2-1.介護保険での自己負担額
介護保険を利用した手すり設置では、自己負担額が発生します。この自己負担額は、利用者の所得や要介護度によって異なります。
所得区分別の負担割合
- 所得が低い方:1割の負担
- 一般的な所得の方:2割の負担
- 所得が高い方:3割の負担
例えば、一般的な所得の方で、手すり設置に10万円かかった場合、自己負担額は2万円となります。
3工事費用の相場
工事費用の相場は、手すりの種類や設置場所によって異なります。
一般的に、固定式の手すりは1万円〜3万円程度、取り外し可能な手すりは3万円〜5万円程度が相場です。
2-2.介護保険の支給限度基準額
介護保険から支給される金額には、上限があります。
この上限額は「支給限度基準額」と呼ばれ、要介護度によって異なるのですが、住宅改修については介護度に関わらず一律20万円となります。
20万円を超えた部分は、全額自己負担となります。
2-3.追加で必要となる費用
手すり設置には、工事費用だけでなく、事前調査、住宅改修申請代行費、工事の作業者の損害保険料、また工事完了前後の写真代などの費用などがかかることがあります。
これらの費用は、原則として介護保険の対象外となるため、自己負担となります。
事前にケアマネージャーとよく相談しておく必要があります。
2-4.利用可能な補助金制度
介護保険以外にも、手すり設置に利用できる補助金制度があります。
例えば、自治体によっては、高齢者や障害者の方の手すり設置費用を補助する制度があります。
伊勢市でも、過去に「住宅リフォーム促進事業補助金」という制度がありました。
- 対象:伊勢市内の個人・法人が居住用住宅のリフォームを行う場合。
- 補助内容:工事費の20%(上限20万円)を補助。
- 対象工事:屋根、外壁、浴室、トイレ、キッチンなどの改修。
- 申請:受付期間内に申請書類を提出(期間は年度により異なる)。
注意:予算の上限があり、抽選となる可能性あり。事前に要件確認が必要。
伊勢市のこの補助金制度は、住宅リフォームを支援するもので、今後も実施内容や期間は年度によって変わる可能性があります。
最新情報は、ぜひ伊勢市のページでご確認ください。
3.申請から設置までの手順
手すりを設置するには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、介護保険を利用した手すり設置の手順をご紹介します。
3-1.介護保険の申請方法
介護保険を利用するには、まず申請が必要です。
申請は、お住まいの地域の役所や、介護保険の窓口で行います。
申請には、介護保険証や必要書類を提出します。
申請後、要介護認定の調査が行われ、要介護度が判定されます
3-2.要介護認定の流れ
要介護認定は、介護保険を利用する際に必要な手続きです。
認定調査員が自宅を訪問し、利用者の心身の状態や介護の必要度を調査します。
調査結果をもとに、およそ30日で要介護度が判定されます。
要介護度には、要支援1・2と要介護1~5の7段階があります。
3-3.ケアプラン作成と相談
要介護認定後、ケアマネージャーが利用者の状況に合わせたケアプランを作成します。
ケアプランには、手すり設置の必要性や設置場所、手すりの種類などが記載されます。
ケアマネージャーは、利用者や家族の希望を聞きながら、最適な手すりを提案してくれます。
この段階で、手すり設置に関する疑問や不安な点があれば、ケアマネージャーに相談しましょう。
3-4.住宅改修の事前申請手続き
手すり設置には、事前に住宅改修の申請が必要です。
ケアマネージャーと相談しながら、工事内容や見積もりを決定し、申請書を提出します。
申請書には、工事の内容や見積もり、工事業者の情報などを記入します。
申請が承認されると、介護保険の支給が決定され、工事を進めることができます。
3-5.工事業者の選定方法
手すり設置には、信頼できる工事業者を選ぶことが大切です。
ケアマネージャーから工事業者を紹介してもらうこともできますが、自分で探すことも可能です。
工事業者を選ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 介護保険の住宅改修に精通しているか
- 見積もりの明細が明確か
- 工事の保証やアフターケアはあるか
- 利用者の希望や要望に柔軟に対応してくれるか
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
また、介護保険の住宅改修では、受領委任払いという支払い方法を利用できます。これは、要介護者が住宅改修費用を立て替えるのではなく、介護保険の給付金が直接、改修業者に支払われる仕組みです。
この方法は要介護者の負担軽減になりますが、給付限度額や対象外の費用に注意が必要です。
なお、受領委任払いに対応している改修業者は決まっていますので、事前にケアマネージャーや担当者に相談することが大切です。
4.手すりの種類と選び方
手すりには様々な種類があり、設置場所や利用者の状況に合わせて選ぶことが重要です。
4-1.固定式手すりの特徴
固定式手すりは、壁や床に固定して設置するタイプです。
- 壁付け型
壁に直接取り付けるタイプで、しっかりと固定できます。壁の強度や構造に合わせて設置する必要があります。 - 床置き型
床に固定するタイプで、壁に穴を開けたくない場合に適しています。転倒防止の効果は壁付け型ほどではありませんが、設置が簡単なのが特徴です。
4-2.取り外し可能な手すり
取り外し可能な手すりは、必要に応じて設置や撤去ができるタイプです。
介護度が軽度で、一時的に手すりが必要な場合や、賃貸住宅などで壁に穴を開けられない場合に適しています。
4-3.設置場所別の選び方
手すりの選び方は、設置場所によっても異なります。
浴室・トイレ
浴室やトイレは、転倒や滑りの危険性が高いため、しっかりとした固定式の手すりを選びましょう。
壁付け型や、浴槽の縁に設置するタイプがおすすめです。
玄関・廊下
玄関や廊下は、立ち上がる際や歩行時の支えとして手すりを設置します。
壁付け型や、必要に応じて取り外しができるタイプが便利です。
階段・段差
階段や段差は、転落の危険性が高いため、しっかりと固定できる壁付け型の手すりがおすすめです。
階段の幅や高さに合わせて、適切な長さの手すりを選びましょう。
5.設置工事と注意点
手すりの設置工事は、安全で快適な暮らしを実現する重要なステップです。
5-1.事前調査のポイント
工事の前に、工事業者が事前調査を行います。
この調査では、手すりの設置場所や壁の強度、工事の内容などを確認します。
利用者の希望や要望を伝え、最適な手すりや工事方法を相談しましょう。
5-2.工事当日の流れ
工事当日は、工事業者が手すりの設置を行います。
工事中は、利用者の安全を確保するため、立ち入り禁止の場所を設ける場合があります。
工事の進捗状況や、気になる点があれば、工事業者に確認しましょう。
5-3.設置後の確認事項
手すりを設置したら、以下の点を確認しましょう。
- 手すりの高さは適切か
- 固定はしっかりとしているか
- 利用者の使い勝手は良いか
- 転倒や転落の危険性はないか
5-4.メンテナンス方法
手すりは、定期的なメンテナンスが必要です。
特に、固定部分の緩みやサビ、汚れなどに注意しましょう。
メンテナンス方法は、手すりの種類や材質によって異なります。
工事業者やケアマネージャーに相談し、適切なメンテナンス方法を確認しておきましょう。
6.よくある質問とトラブル対応
手すり設置には、様々な疑問やトラブルがつきものです。
ここでは、よくある質問やトラブルの対応方法をご紹介します。
6-1.賃貸住宅での設置
賃貸住宅に住んでいる場合、手すりの設置には大家さんの許可が必要です。
大家さんに相談し、理解と協力を得ましょう。
大家さんが手すり設置に同意してくれない場合は、取り外し可能な手すりを検討するのも一つの方法です。
6-2.工事期間と生活への影響
手すり設置工事は、工事内容や手すりの種類によって異なりますが、一般的に数時間から半日程度で完了します。
工事中は、立ち入り禁止の場所や騒音が発生する場合があるため、生活への影響を最小限に抑える工夫が必要です。
6-3.位置変更・撤去について
手すりの位置を変更したい場合や、不要になった場合は、工事業者に相談しましょう。
固定式の手すりは、一度設置すると変更や撤去が難しい場合があります。
事前に、変更や撤去の可能性についても工事業者に確認しておくと良いでしょう。
6-4.保証・アフターケア
手すり設置には、保証やアフターケアが重要です。
工事業者に、保証期間やアフターケアの内容を確認しましょう。
工事完了後も、手すりの不具合や疑問点があれば、工事業者に相談できる体制を整えておくことが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
介護保険を使った手すりの取り付けは、高齢の方や介護が必要な方の安全で快適な暮らしをサポートする有効な手段です。
費用面や手順など、不安な点もあるかもしれませんが、ケアマネージャーや工事業者のサポートを受けながら、安心して手すりを設置することができます。
「訪問看護ゆう」では、手すり設置に関するご相談も承っております。
お気軽にお問い合わせください。