
要介護3の家族が知るべき介護の実態と負担軽減のための秘訣
1.要介護3の基礎知識と特徴
1-1.要介護3の具体的な状態像
要介護3は、介護保険制度で定められた7段階の要介護度のうち、中程度な状態です。
日常生活で一部介助が必要なレベルで、例えば、歩行や食事、排泄など、特定の動作や活動に介助を必要とします。
介護が必要な方の中には、要介護3の方も多くいらっしゃいます。
1-2.要介護2との違いと必要な支援
要介護2と要介護3の大きな違いは、介助の必要度です。
要介護2の方は、立ち上がりや歩行、軽い家事など、基本的な動作は自立していますが、要介護3の方は、歩行や食事、排泄などの動作に介助が必要となります。
そのため、要介護3の方には、より手厚い支援や介護サービスが必要となります。
1-3.要介護3で受けられる介護保険サービス
介護保険サービスは、要介護度に応じて利用できるサービスが異なります。
要介護3の方は、訪問介護や通所介護、訪問看護、介護用品の支援など、様々なサービスを利用することができます。
これらのサービスを上手に活用することで、在宅での介護をより快適に、負担を軽減しながら行うことが可能です。
1-4.介護にかかる費用の目安
介護にかかる費用は、介護保険サービスを利用する度に発生します。
要介護3の方の場合、介護保険の自己負担割合は1割(※1)となり、サービス利用料の9割は介護保険から支給されます。
例えば、訪問介護や通所介護を利用した場合、1割の自己負担でサービスを受けることができます。
また、介護用品の購入や住宅改修にも、介護保険が適用されます。
※1:所得に応じて自己負担割合が2〜3割になる場合もあります。
2.要介護3の在宅介護の実態
2-1.日常生活で必要な介助内容
食事介助の方法
要介護3の方は、食事の準備や片付けは自分でできても、食事そのものに介助が必要な場合があります。
例えば、手が震えてスプーンや箸が上手く使えない、食べ物を噛む力や飲み込む力が弱い、といった状態です。
食事介助では、食べやすいように食材を小さく切ったり、やわらかく煮込んだり、介助者が口元に運ぶなどの方法を取ります。
排泄介助のポイント
排泄の介助では、トイレへの誘導や排泄後の清拭、オムツの交換などが必要となります。
特に、トイレへの移動が困難な場合は、ベッド上で排泄できるよう、ポータブルトイレや尿器、おむつなどの準備が必要です。
排泄のタイミングや体調に気を配り、排泄介助を行うことで、排泄トラブルを防ぎます。
入浴介助の注意点
入浴介助では、転倒や溺水などの事故防止に細心の注意を払う必要があります。
要介護3の方は、浴槽への出入りや着替え、洗髪などに介助が必要となります。
介助者は、入浴前の体温測定や血圧測定を行い、入浴中の体調変化に気を配ります。
また、浴槽の温度調整や滑り止めマットなどの設置も重要です。
2-2.必要な住環境の整備
在宅介護をスムーズに行うためには、住環境の整備も大切です。
例えば、手すりの設置や段差の解消、トイレや浴室の改修など、介護する方もされる方も安全で快適に過ごせる環境づくりが求められます。
また、介護ベッドや車椅子、ポータブルトイレなどの介護用品を適切に配置し、使いやすい環境を整えます。
2-3.介護負担を軽減する工夫
介護する方の負担を軽減するためには、介護技術の習得や工夫が欠かせません。
例えば、介助者の姿勢や力の入れ方、介助器具の活用など、正しい介護技術を学ぶことで、介助者の身体的負担を減らすことができます。
また、介護用品や福祉用具を上手に活用し、介助の効率化を図ります。
2-4.在宅介護の限界を見極めるポイント
在宅介護には、介護する方と介護される方の心身の状態や、住環境など、様々な要因が関わってきます。
介護する方の負担が大きすぎたり、介護される方の状態が悪化したりした場合、在宅介護の継続が難しくなることもあります。
介護の専門家やケアマネージャーと相談し、在宅介護の限界を見極め、適切なサービスや施設への移行を検討することも大切です。
3.介護サービスの活用方法
3-1.訪問系サービスの選び方
訪問介護
訪問介護は、介護保険サービスの中でも最も利用されているサービスの一つです。
介護スタッフがご自宅を訪問し、食事や入浴、排泄などの介助、調理や掃除などの家事援助を行います。
要介護3の方は、週に数回の訪問介護を利用することで、在宅での生活を支えることができます。
訪問看護
訪問看護は、看護師がご自宅を訪問し、医療的なケアや健康管理を行うサービスです。
例えば、血圧や体温の測定、服薬管理、創傷の処置、点滴などの医療処置を行います。
要介護3の方は、定期的な健康チェックや、急な体調変化への対応として、訪問看護を活用することができます。
訪問リハビリ
訪問リハビリは、理学療法士や作業療法士がご自宅を訪問し、リハビリテーションを行うサービスです。
要介護3の方は、歩行訓練や筋力トレーニング、日常生活動作の練習など、機能回復や維持を目的としたリハビリを受けることができます。
在宅での生活をより快適にするため、訪問リハビリを活用しましょう。
3-2.通所系サービスの利用方法
通所介護(デイサービス)は、介護施設に通い、入浴や食事、レクリエーションなどのサービスを受けるものです。
要介護3の方は、週に数回、通所介護を利用することで、介護する方の負担を軽減し、介護される方も社会とのつながりを保つことができます。
3-3.ショートステイの効果的な使い方
ショートステイは、介護施設に短期間入所し、介護や看護、リハビリなどのサービスを受けるものです。
要介護3の方は、介護する方の休養や、介護される方の体調不良時などに、ショートステイを活用することができます。
介護する方の負担軽減や、介護される方の急な体調変化への対応として、事前にショートステイの利用を検討しておきましょう。
3-4.福祉用具の選定と活用
福祉用具は、介護する方もされる方も、より快適に過ごすための重要なアイテムです。
例えば、介護ベッドや車椅子、手すり、ポータブルトイレ、介護用品など、様々な福祉用具があります。
要介護3の方の状態や住環境に合った福祉用具をケアマネージャーと相談しながら選定し、上手に活用しましょう。
4.施設介護の選択肢と準備
4-1.施設の種類と特徴
介護施設には、有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設など、様々な種類があります。
有料老人ホームは、個室や食事、介護サービスなどがセットになった施設で、比較的自由度の高い生活を送ることができます。
特別養護老人ホームは、要介護3以上の方が入所できる施設で、長期間利用することができ、介護保険で利用できるサービスが充実しています。
介護老人保健施設は、機能回復を目的としたリハビリを行い在宅復帰を目指す施設で、利用期間は原則として3ヶ月です。
4-2.費用の比較と支払い方法
施設介護の費用は、施設の種類やサービス内容によって異なります。
有料老人ホームは、入居時に多額の費用がかかる場合がありますが、介護保険の適用外のサービスも充実しています。
特別養護老人ホームは、介護保険の自己負担割合で利用でき、比較的費用は抑えられます。
介護老人保健施設は、機能訓練のためのリハビリ用の機器や理学療法士がいる分、特別養護老人ホームよりも少し高くなります。
月始めまたは月末に支払いとなりますが、ほとんどの人が銀行引き落としを利用しています。
病気やケガなどで通院が必要になったり、消耗品の費用、買い物代行など、別途支払うことになった場合は、銀行振込や窓口まで払込みに行く必要があることもあります。
支払い方法だけでなく、雑費などの費用も確認するようにしましょう。
4-3.入所の申込み方法と待機期間
施設への入所を希望する場合は、各施設への申し込みが必要です。
申し込みには、介護認定の結果や必要書類を提出し、面接や施設見学などを経て、入所が決定します。
ただし、特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、入所希望者が多く、待機期間が発生する場合もあります。
4-4.施設選びで確認すべきポイント
施設選びでは、介護される方の状態や希望、家族の状況などを考慮し、最適な施設を選ぶことが大切です。
施設のサービス内容やスタッフの対応、設備の充実度、費用など、様々な観点から比較検討しましょう。
また、施設見学や体験入所などを通じて、実際の雰囲気やサービスを確認することもおすすめです。
5.介護者の負担軽減策
5-1.身体的負担を減らす介護技術
介護する方の身体的負担を減らすためには、正しい介護技術を学ぶことが大切です。
例えば、介助者の姿勢や力の入れ方、介助器具の活用方法など、介護技術を習得することで、負担を軽減できます。
また、介護用品や福祉用具を上手に活用し、介助の効率化を図りましょう。
5-2.精神的ストレスへの対処法
介護は、身体的負担だけでなく、精神的ストレスも伴うものです。
介護する方は、介護される方の状態や気持ちに寄り添い、コミュニケーションを大切にしながら、ストレスを溜め込まないようにしましょう。
介護者同士の交流や、介護者向けの相談窓口、介護者支援サービスなどを活用し、ご自身の精神的なケアも忘れずに。
5-3.家族間での役割分担の方法
介護は、家族みんなで支え合うことが大切です。
家族間で話し合い、介護する方の負担を軽減できるよう、役割分担をしましょう。
例えば、介護する方は介助や家事を担当し、他の家族は買い物や通院の付き添い、介護保険の手続きなどを分担します。
家族の協力体制を築くことで、介護の負担を分散できます。
5-4.介護と仕事の両立のコツ
介護と仕事を両立するのは、簡単なことではありません。
介護する方は、介護保険サービスや介護休暇、短時間勤務などの制度を活用し、仕事と介護を両立できる環境を整えましょう。
また、介護する方の気持ちに寄り添い、仕事と介護のバランスを上手に取れるよう、家族や職場の理解と協力も求めていきましょう。
6.介護を支える便利な道具とサービス
6-1.必須の介護用品リスト
介護をスムーズに行うためには、介護用品の準備が欠かせません。
例えば、介護ベッドや車椅子、手すり、ポータブルトイレ、介護パジャマ、介護食など、介護される方の状態や住環境に合わせて、必要な介護用品を揃えましょう。
6-2.介護記録・管理アプリの活用
介護記録や介護計画、介護用品の管理などをアプリで行うことで、効率的に介護を行うことができます。
介護記録アプリでは、介助内容や体調の変化、服薬管理などを記録し、介護する方同士で共有することができます。
また、介護用品の管理アプリでは、在庫や使用状況を管理し、必要なものを適切に注文することができます。
6-3.見守りサービスの選び方
介護される方の安全や安心を確保するため、見守りサービスを活用するのもおすすめです。
例えば、緊急通報装置や見守りカメラ、訪問見守りサービスなど、様々な見守りサービスがあります。
介護される方の状態や住環境に合ったサービスを選び、万が一の事態に備えましょう。
6-4.コミュニケーション支援ツール
介護される方とのコミュニケーションを円滑に行うため、コミュニケーションツールを活用するのも効果的です。
例えば、タブレットやスマートスピーカー、コミュニケーションロボットなど、介護される方の状態や好みに合ったツールを選びましょう。
介護される方の孤立感を減らし、楽しみながらコミュニケーションを取ることができます。
7.将来に向けた準備と対策
7-1.要介護4への移行に備えるポイント
要介護3の方は、状態が悪化すると、要介護4に移行する可能性があります。
要介護4では、より手厚い介護が必要となるため、事前に介護サービスや施設の情報収集を行い、スムーズな移行ができるよう準備しておきましょう。
7-2.緊急時の対応計画
介護される方の急な体調変化や事故などに備え、緊急時の対応計画を立てておくことも大切です。
例えば、救急病院への搬送方法や、緊急連絡先、必要な医療情報などをまとめておきます。
また、介護される方の状態に合った医療機関や介護施設を事前に把握しておきましょう。
7-3.介護費用の長期計画
介護費用は、長期的に見ていく必要があります。
介護保険の自己負担割合や、施設入所時の費用、介護用品の購入費など、様々な費用を考慮し、長期的な計画を立てましょう。
介護保険や各種助成制度、家族の協力など、費用負担を軽減できる方法も検討しておきましょう。
7-4.今から始める終活の準備
介護される方の人生の終焉に備え、終活の準備も大切です。
例えば、遺言書の作成や葬儀の希望、財産の整理など、介護される方の意思を尊重しながら、終活の準備を進めましょう。
家族で話し合い、介護される方の気持ちに寄り添いながら、終活に取り組むことが大切です。
8.まとめ
いかがでしたか?
要介護3の介護は、在宅でも施設でも、様々なサービスや工夫をすることで、介護する方もされる方も快適に過ごすことができます。
介護は、家族みんなで支え合い、専門家のサポートを受けながら、前向きに取り組んでいきましょう。
「訪問看護ゆう」では、要介護3の方やご家族の皆様に、訪問看護や介護保険制度の活用方法など、様々なサポートを提供しています。
お困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。